許せない、東電旧経営陣に 無罪判決! 東電経営陣は福島原発事故の責任を取れ

 東京電力福島第一原発事故で業務上過失致死罪で強制起訴された元会長・勝俣恒久、元副社長・武黒一郎、元副社長・武藤栄の3被告の判決が9月19日に東京地裁であり、永渕健一裁判長は3人を無罪とした。

 検察官役の指定弁護士は「国の原子力行政を忖度した判決だ」と批判した。原発事故から避難中に、多くの人命が失われ、現在も4万人以上の人が故郷に帰れず、原発事故の収束も見えないままに、事故の刑事責任が問われないというのは許せない。

(1)最大15.7mの巨大津波の襲来を予見して、東電の子会社は2008年6月に、経営陣の3人に報告していたことが、公判で明らかにされていた。それにもかかわらず、「予見できなかった」という旧経営陣の主張を丸呑みした判決は許せない。

(2)裁判長は「津波という自然現象は、正確な予知や予測に限界がある・・・あらゆる可能性を考慮して必要な措置を講じることが義務づけられれば・・・運転はおよそ不可能になるが、それは困難だ」と断定した。これは、経営優先の東電の姿勢を容認したものであり、国民の常識に反している。

(3)福島原発刑事訴訟支援団の集会では、「10年かかろうが、20年かかろうが、真実を訴えて罰したい」「これが、どん底、はいあがるしかない。主張し続けることでしか社会を変えていく道はない」という痛切な訴えがあった。

(4)古里を失い、避難生活の中で肉親を亡くした被災者は、民事訴訟などで東電の責任を問い続ける決意を新たにしている。